妻が「京都に紅葉を見に行きたい!」とのことで、仁和寺へ紅葉狩りに行ってきました。
まだ色づき始めの木もありましたが、紅葉のグラデーションと伽藍とのコントラストが美しく、たっぷり癒されてきましたので、写真を交えてご紹介します。
基本情報
■電話:075-461-1155
■拝観時間(御所庭園)
3月~11月 9:00~17:00
12月~2月 9:00~16:30
※受付は30分前まで
■拝観料(御所庭園)
大人:800円、高校性、中学生、小学生以下:無料(すごい!)
※境内は桜の時期だけ、大人500円(高校生以下無料)。通常無料。
■アクセス
JR花園駅から徒歩15分
■地図
JR花園駅~仁和寺二王門
奈良県在住の筆者は、近鉄で京都駅に向かい、京都駅でJRに乗り換えて花園駅で下車します。
目的地は仁和寺ですが、少し回り道をして妙心寺の境内を通って北上しました。
お目当ては妙心寺境内の通路沿いに見える紅葉です。
妙心寺は各塔頭にあるお庭の紅葉が有名なんですが、ご覧の通り、外から見ていても十分にきれいに見える場所がいっぱいあります。
学生時代、花園駅と大学の往き帰りに、妙心寺と等持院を通り抜けていたのですが、秋になるときれいな紅葉がよく見えたことを思い出し、少し寄り道しました。
てくてく、紅葉を眺めながら妙心寺の境内を通り抜け、仁和寺の二王門に到着です。
1645(正保2)年に再建された和様建築の巨大な門で、国の重要文化財。
仁和寺は886(仁和2)年に創建され、平安時代から明治に至るまで、代々の住職を皇室から迎える門跡寺院でした。
とても格式高いお寺なんですが、個人的には『徒然草』で度々登場する、少しおっちょこちょいなお坊さん(仁和寺にある法師)が、いっぱいいたお寺という印象が今でも強いです。
御所庭園
まずは国指定名勝の御所庭園に入ります。
こちらは有料エリアになりますが、仁和寺に来ると必ず入ってしまうお気に入りの場所。
白書院前の南庭の紅葉は、ようやく色づいてきた感じでした。
流れるような箒目の文様が美しい庭です。
宸殿からの北庭の眺め。
紅葉の季節は初めて来ましたが、五重塔が借景となって壮観です。
境内
仁和寺は、平安時代に創建された古刹ですが、応仁の乱で伽藍が全焼してしまい、創建当時の建物は一切残っていません。
現在の建築はすべて江戸時代に再建されたものですが、国宝を含む重要文化財がなんと15棟もあります。
名建築ぞろいのたいへん贅沢な伽藍なんですが、桜の季節以外はすべて無料で、間近に見学することができる大変ありがたいお寺です。
中門をくぐって金堂までの通路脇はカエデが真っ赤に色づいていました。
国宝の金堂は1613(慶長18)年に、御所紫宸殿として造営された建築になります。
徳川家康が重用した名工・中井正清が棟梁となって造営され、現存する紫宸殿では最古の建築になります。
※中井正清については下記の記事で詳しくご紹介していますので是非ご一読ください。
仁和寺は応仁の乱で焼亡してから約170年後にようやく再建されますが、この時ちょうど慶長期に建てられた天皇の御所の建て替えと重なったこともあり、何棟かの主要な建物が下賜されました。
金堂はその内の一棟で、仏堂になるにあたり檜皮葺から瓦葺に葺き替えられ、現在の姿になりました。
関西では数少ない、中井正清の手による現存建築になります。
陽光に照らされた紅葉のグラデーションが幻想的です。
鐘楼(重要文化財)付近も紅葉の密集エリアです。
境内でもっとも紅葉の密度が高いのは、五重塔近辺でしょうか。
金堂(紫宸殿)を建造した棟梁・中井正清の弟、中井正純の手によるものです。
ちなみに日本一高い東寺(教王護国寺)の五重塔も正純の建築で、仁和寺の塔と同時期に建てられました。
両塔とも上層から下層まで、各層がほぼ同じ幅で建てられており、このあたりは正純の個性がよく出ていると思います。
中井家はもともと法隆寺番匠の棟梁を務めた家で、飛鳥時代から法隆寺を守り続けた匠の技が、京都を代表する二つの仏塔にも注ぎ込まれていることになります。
その技術の高さは、江戸中期以降に度々京都を襲った巨大地震でも、二つの塔が倒壊しなかったことでも証明済みといえるでしょう。
平日ということもあり、混雑することもなく、快適に紅葉を楽しむことができました。
仁和寺で紅葉を堪能した後、嵐山でランチしようと、ふらっと嵐電で嵐山に向かいましたが、平日とは思えぬ人人人の大波に巻き込まれ、すごすごと京都駅に帰ってきました。
さすが秋の京都。恐るべしです。
同じ洛西地域ですが、嵐山に比べると妙心寺や仁和寺界隈はかなり空いていたので、京都で紅葉を楽しむなら穴場かもしれないですね
※休日はそれなりに混雑するのかもしれませんが。