明けましておめでとうございます。
元旦の朝食といえば、お餅と雑煮というのが定番ですね。
雑煮は家庭料理ということもあって、同じ「雑煮」という名前でも、味付けや食べ方に地域差や家庭差が非常に大きな料理です。
筆者は奈良出身で、小さな頃から雑煮といえば白味噌に、大根、人参などの野菜にお餅が入ったものでした。
まあ、ここまでは近畿地方ならごく普通の雑煮でしょう。
奈良県の雑煮が、他県と比べて独特なのがお餅の食べ方で、雑煮に入っていたお餅に砂糖きな粉を付けて食べるのです。
テレビ番組をはじめ、様々なメディアで度々紹介されて、ご存知の方も多いかと思いますが、この食べ方が独特というのは、筆者は大学時代に他県出身の友人から指摘されるまで、全く気付きませんでした。
最近は他県から転入されてきた方も多く、奈良県内でもこの独特な食べ方をしないお家庭も多いようですが、ウチは結婚後も実家が奈良県平群町の妻が、この食べ方で毎年雑煮を用意してくれます。
今年の元旦も、妻の作ったお雑煮をいただきます。
具は、くわい、大根、人参、里芋そしてお餅です。
雑煮の中からお餅を取り出し、
きな粉に投入します。
よーくきな粉を染ませて、
お餅をいただきます。
雑煮の塩気が砂糖きな粉の甘さを引き立て、たいへん美味しいです。
間違いなく、お湯で戻したお餅で作ったきな粉餅より、甘みが強いと思います。
この食べ方、奈良名物として普通に飲食店で出したら受けそうな気もするんですけどね。
最近は県をまたいだ人の移動も多く、食べ物の地域性は薄れていて、雑煮の餅にきな粉を付けて食べるなんて少し変わった食べ方は、意外と近い将来消えてしまうかもしれないですね。
実は筆者は子どもの頃、この食べ方が嫌いでした。
テレビでお正月の雑煮を食べるシーンを見ても、わざわざ雑煮の餅をお椀から取り出して、きな粉を付けて食べるなんて食べ方はしてなくて、お椀からそのまま食べる、「普通」の食べ方に憧れていました。
ドラえもんの、のび太が食べる雑煮の餅が美味そうだと思っていたのです。
でも、大人になって、この「奇妙」な食べ方が故郷の独自性を著す食べ方だと気づき、特に広島、東京と12年間地元の奈良を離れた頃からは、正月に実家へ帰ったときの楽しみの一つになりました。
家庭料理が家ごとに伝わるものから、テレビやネットで伝わるようになると、ますます家庭料理の地域性って失われていくかと思いますが、よそから見たら「変な食べ方」がいっぱいある国の方が、きっと食文化が豊かな国なはず。
我が家では今後も、ささやかな食文化継承が毎年正月続いていくことと思います。
近年で一番の混雑ぶりで、鳥居の外まで参拝者の列ができています。
Withコロナと叫ばれて久しいですが、ようやくかつての日常が戻り始めていることが実感できる光景ですね。
今年中にマスク姿が、かつてのような季節性のものに戻ってくれることを、願うばかりです。